餌を運ぶ親鳥たち(ビデオ)
五月、我が家のベランダにある鳥小屋に、シジュウカラが巣作りを始めた。リビングに面したベランダなので、無事、ひなたちが巣立つまで、近づかないことにした。遠くから隠れてカメラを向けた。
一週間くらいすると、ピーピーとヒナ鳥の鳴き声がガラス戸を通して聞こえてきた。親鳥が頻繁に餌を運ぶ。まず庭の木にとまり様子を見て、次にベランダの手すりにとまり、また様子を見る。それから巣へ、餌を運ぶ。こちらから見ているのに気がつくと、庭の木に戻りもう一度様子を見る。二羽で数分おきに餌を運ぶ。その度にピーピーと賑やかになる。
子育てってすごいなーと感激する。
そのうちに静かになり、親鳥も来なくなった。巣立ちの瞬間を見逃してしまった。残念!鳥小屋の扉を開けてみた。わらや、木の枝、葉などで作った巣の中に卵がひとつ残っていた。たったひとつだけ孵化しなかった、さくらんぼの種ほどに小さい卵がちょっとかわいそうに思えた。何よりもあんなに必死で巣を守り、餌を運び続けた親鳥が哀れに思えた。
誰から教わったわけでもないのに、巣を作り、卵を産み、温め、ヒナに餌を運ぶ。自然の力って不思議で、素晴らしい。