北国の冬の夜明けは遅い。朝8時ころ、真っ黒だった東の空の一点がほんのりと明るみを帯びる。
あっという間にそれが広がり、黄色がかった一帯が赤みを帯び、いつの間にか真っ赤に輝く。日の出だ!黒かった空が明るくなり、瞬く間に青く染まってゆく。朝の、この刹那の情景の流れを逃したくなく、急いで外に出る。霜で覆われた世界が陽の光に照らされ、美しく輝く。なんとも幻想的な瞬間だ。張りつめた、冷たい空気は、神秘的であると同時に、力強く、静寂で、温かい。
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