秋の足音

毎朝、起きるとまず、三階のリビングへ行く。ここから、庭の白樺の大木が一番良く見えるからだ。そして、毎朝驚かされる。一昨日から昨日、昨日から今日へと時が駆け足で進んでゆく。秋がどんどん深まってゆく。秋が深まるというと、ひんやりとした静けさを、思い浮かべるが、明るい陽に照らされて、文字通り、黄金色の、葉々が輝いている。そのきらきらとした力強さに心が躍る。

数日前、あら、紅葉が始まるのかなと思っていたのに、まるで、絵巻物でもめくるように、毎朝、新しい景色を見せてくれる。

今日はまだ、夏の名残り、バラの花と、真っ赤に染まった外壁を覆うツタの葉が、不思議と調和して、何とも美しい。

でも、もうすぐ、紅い葉も、黄金色の葉も、散ってしまい、冷たい風が吹くようになる。

そして、リスたちもやがて来る冬への支度を始める。

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