新しい家族 1

息子が猫を飼いたいと言いだした時、私はあまり乗り気ではなかった。子供のころ、犬を数匹飼っていたが、猫とは縁がなく、何かなじめない気がした。
娘が独立して家を出て、急に寂しくなり、じゃあ見に行ってみようか、という事になり、動物の孤児院のようなところに行ってみた。
いろんな猫がいたが、ほとんどの猫はシーツやクッションの下とか、小物の後ろに隠れていて、あまりかわいいとは思えなかった。それでもそのうちに猫を迎えるつもりで色々準備した。
息子にせがまれ、1週間後、もう1回見に行ってみよう、と出かけた。
係りの人と話をしていたら、急に子猫が現れた。それがリーちゃんとの出会いだった。近くの町で見つけられ、3日前にそこに連れてこられた推定半年の、やせたタビー、足、胸おなかが白く、なんともかわいらしかった。足にまといついてきて私たちから離れなかった。お互いひとめ惚れ!すぐに里親縁組が成立した。
名前はチャーチーとつけられていたが、替えても良いという事だった。 予定通り、まず息子の寝室で飼うことにした。順々に移動範囲を広げ、6週間後には外にも出して良いという事だった。

チャーチーはおとなしく、賢くトイレも1度で覚えた。
慣れてくると段々おてんばになり、かくれんぼをして遊ぶようになった。何かの陰に隠れて急に飛び出して私たちを驚かすのが大好きだった。
いつの間にか、私だけリーちゃんと呼ぶようになっていた。言葉も私だけ日本語、バイリンガルのリーちゃんは、6月末の太陽の輝く日曜日、ついに庭に出た。

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